探偵は、変装の達人でもあります。
土木仕事のお兄ちゃんや、パチンコ好きなおじちゃん、はたまたOLさんまで。
変装のバリエーションもかなりのものです。

探偵もののドラマでも、変装して尾行するシーンがありますよね。
大抵、カツラにサングラスというちょっと怪しい変装ですが……(笑)

変装で一番大事なのは「どこにでもいる人になること」。
「こんな人いるよね!」と言われるような変装じゃなければいけないのです。

私も新米の頃は女装が下手で、よく先輩にからかわれました。
「これじゃあ帰宅中のOLじゃなくて、オカマバーに出勤する人にしか見えない」と……。
「梅沢富美男でも女になれるのに。お前ときたら」と呆れられたこともあります。

そんな私でも今では立派に(?)上達しました。
メイクもお手の物です。

探偵ドラマと違うのは、その点だけではありません。

ドラマでは、尾行中は一種類の変装しかしませんよね。
カツラにサングラスで尾行を始めたら、最後までその変装で通します。

しかし、本物の探偵は、尾行中に何度も変装を変えます。

よく考えてみてください。
変装しているとはいえ、同じ人間がずっとついて来たら怪しいと思いますよね。
それでは、変装せずに尾行しているのと同じことです。

ターゲットがなにかに夢中になっている隙などに、素早く変装を変える。
そして別人になってまた尾行を続けます。

あなたがただの通行人だと思っている人が、探偵であってもおかしくないのです。