探偵の仕事というのは、依頼人の生活や都合にとても密着したものです。
故に、「依頼をキャンセルしたい」という申し出を受けることもしばしば。

浮気調査を頼んだけど、配偶者を信じて待ってみたい。
家族と意見が食い違ったので、やはり契約はなかったことにしてほしい。
違う探偵社にお願いしたい。

理由はさまざまです。

探偵社では、調査料を前払いでいただきます。
依頼人からいただいたお金で、移動をしたり、調査に必要なものを揃えたりするのです。

ゆえに、もしキャンセルを申し出られても、ほとんどの場合はお金をお返しすることができません。

例えば午前中に依頼に来られて、午後にキャンセルのお電話をいただいたとしましょう。
それでも、その依頼について全くの未着手であるということはほぼありません。

探偵の配置を決めたり、下見をしたり、張り込みに使う物件を決めたり……。
なにかアクションを起こしている場合がほとんどです。

ほんの数時間の間にも、すでに人件費や備品の代金、賃貸料がかかっているというわけです。

依頼をくださるお客様にもご都合があることは重々承知しています。
たくさんの「家庭の事情」に遭遇する職業ですから。
人助けをしたい、人を苦しめたくないという気持ちもあります。

しかし、調査で使ったお金をそっくりそのままお返しすることは、経営上できかねます。
ご依頼は、ご家族にもよくご相談され、契約書をしっかりとご確認された上でお願いいたします。