最近は、さまざまな職業を描いた漫画やドラマが流行っていますね。
銀行員、バーテンダー、医者、シークレットサービス、弁護士……。
私の友人の中にも、これらの職業に就いている人たちがいます。
フィクションとはいえ、割と忠実に描かれていて勉強になると言いますね。
中には「俺、あんな医者を目指してんだよ」という者もいます。
探偵も、ドラマや漫画がたくさんあります。
アニメにもなっていますね。
しかし、他の職業フィクションと違うのは「全く参考にならない」という点です。
まず、我々はあんなに大々的に「探偵だ!」と名乗ったりしません。
探偵だと知られてしまったら、ターゲットは私をどうにか避けようとします。
もしくは、仲良くなって丸め込もうとする。
重大な秘密を抱えている場合は、見つかる前に殺してやろうなんて思うかもしれません。
これほどまでに仕事がやりにくくなることはありません。
私たち探偵は、情報を安心して喋らせる相手でなければならないのです。
それと、たとえ調査中に犯罪を目撃しても、ターゲットの前に姿を現したりしません。
いじめの調査中に、そのいじめがエスカレートしてしまっても、我々は間に入って止めることはできません。
また、張り込み中にスリやひったくりを目撃しても、犯人を追いかけることはできません。
そこでターゲットに注目されてしまうと、その後の仕事ができないからです。
職業を偽って接触したりしたときに「あ、あの時の人じゃないですか?」と言われたらおしまいです。
探偵は、身を隠し、他人を装おい……。
常に見えない存在でなければならないのです。