近年、増加傾向にあるのが「ストーカー被害」です。
ニュースでも、ストーカーから殺人や傷害などに発展する事件が多いですね。
我々探偵が注意しなければならないのが「ストーカーからの依頼」です。
彼らはストーキングのターゲットに関する情報を求めています。
どこに誰と住んでいるのか?
たったそれだけの情報でも、ストーカーにとっては朗報です。
彼らは決して「ストーカーしたいのでこの女性を調べてください」とは言いません。
- 「僕の上司だった女性が、賃金を払わず逃げてしまって……」
- 「彼女が失踪して……」
- 「前の彼女ともう一度やり直したくて……」
このように、自分の依頼の目的が正当なものであるかのように偽っています。
この嘘を見抜くのは相当難しいです。
たとえ嘘でもストーリーがしっかりしていれば信じてしまいますし、「協力してあげたい」とさえ思ってしまうこともあります。
ただ、怪しいと思えば調査を続行はしません。
上にも書いたように、殺人や傷害に発展してしまうのを防ぐためです。
たとえ命が助かっても、その心には大きな傷が残ります。
あるストーカー被害者の女性は、深夜、窓からストーカーに侵入されました。
男は女性の視線に気づき逃げ去りましたが、女性はトラウマで窓に近寄ることすらできなくなったのです。
私たち探偵は、人を不幸から救うためにこのスキルを修得し、経験を積んでいます。
それを人を傷つけるために行使してしまうのは、恐ろしく避けたいことです。